郵便貯金と民間銀行の相互振込が可能になるかも……!?
2006年02月13日 08:30
【NIKKEI NeT】によると郵政民営化の準備企画会社である日本郵政は、傘下の郵便貯金銀行がすべての民間金融機関と取引ができるようにするため、民間金融のシステムへの加盟を検討し始めたという。これが実現すると、これまでは郵貯口座から民間銀行への資金移動へは一度現金をおろす必要があったが、ATM内での処理で可能になるなど利便性が飛躍的に高まる。同時に郵便貯金のニーズも増大することが予想される。
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実際にこのような振込取引を可能にするには、民間金融の為替決済を集中処理するシステム、【全国銀行データ通信システム(全銀システム)】への加盟が必要。日本郵政の西川善文社長は「振込など決済サービスの充実は不可欠」と判断し、全銀システムへの加盟認可を全国銀行協会へ要請することを検討している。
ただこれが実現すると、顧客を奪われかねないとして地域金融機関の反発は必至とされる(何しろ日本全土の各地域にまんべんなく郵便局はあるのだから)。民営化するのだから公的機関がゆえの規制の撤廃(たとえば預け入れ限度上限)など規制緩和問題に影響を及ぼしかねない。
「民営化するのだから公的機関的な縛りは取り払われるべきだ」「これまで公的機関として恩恵を受けてきた巨大企業なのだから何らかのハンディをつけないと既存の他の民間企業が押しつぶされてしまう」という相反する問題を、郵政民営化の過程では解決する必要がある。今回の他民間銀行への振込が可能とする問題もその一つ。
利用者にしてみれば便利性の高さから考えると是非とも実現してほしいものだが、その一方で既存の地域金融機関の経営が危うくなるのも……というところ。段階をおいてじわじわと緩和していくしかないのだろうか。
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