今、湯たんぽが再評価されている
2006年01月22日 12:20
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、厳しい寒さの中、昔懐かしの暖房器具である「湯たんぽ」の価値が見直されているという。エコロジーという観点だけでなく、温かさの持続性や肌の乾燥もしにくいという長所が再認識されているようだ。最近では一部の雑貨屋さんやドラッグストアの片隅にしか置かれなくなった湯たんぽが再注目されたことで、需要が急増し、供給側も大変だという。
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記事によればある生産会社では出荷量が昨冬の4割り増し、注文数では6から7割り増しだという。ここでは楕円形で表面が波型の、昔懐かしい形の湯たんぽを作っている。コタツやストーブなどに暖房器具としての主役の座を奪われてしまってニーズが激減したが、最近はそれも復活。今では年間14から15万個を製造しているという。またこの会社の社長の話では、最近は10から30代の女性からの問合せも多くなったとのこと。今年は特に灯油が値上がりしているせいもあり、需要はますます高まりつつある。
東急ハンズ新宿店では湯たんぽの売上が例年の3から4倍にも伸びており、メーカー側の欠品状態が続いているという。プラスチックス製が特に売れており、冷却用にも使えるゴム製のも人気が高い。また、電子レンジで内蔵のジェルを温めて使う、新世代の湯たんぽも人気があるという。簡単に使える点が良いらしい。
記事では、湯たんぽは阪神大震災で見直されるようになったという指摘もある。ガスも電気も止まった場所で暖を取るには湯たんぽが一番。エッセイストの村上春樹氏も「朝起きても温かいので、顔を洗うこともできる。洗濯水にも再利用できるし、飲むことだって可能」と具体的な活用法を挙げてまで湯たんぽの良さを挙げている。
当方(不破)も数年前から冬の暖を取るのは湯たんぽがメイン。昨年までは電気ストーブも時々使ってはいたが電気代が跳ね上がったため今年は湯たんぽ一本やり。机に向って作業する時はひざ掛けをかけて湯たんぽの上に足をのせてタイピングをし、多少ぬるくなったところで布団に入れてそのまま就寝。それなりにぬくい就寝を楽しめる(別の理由で昔ほど熟睡はできないのだが)。少なくとも凍え死ぬようなことは無い。
湯たんぽは元々中国発祥のようで、唐の時代にはすでに存在していたようだ。日本には室町時代あたりから使われだしたらしいが、江戸時代にはすでに庶民の暖房器具として流通していたもよう。今ではプラスチックス製やトタン製が主流だが、昔は陶器製だった。今となればとても想像できない。
ともあれ、今回の湯たんぽの件は、いにしえから伝わる生活の知恵を見直すこと、過去をちょっと振り返ることで今現在でも有益に活用できるものはいくらでもあるという良い例だろう。
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