ライブドア捜索、奇襲電撃戦でメールを大押収。詳細なやりとりも記録

2006年01月18日 22:00

【Mainichi INTERACTIVE】の報によるとライブドア(4753)グループの証券取引法違反事件で東京地検特捜部は、堀江貴文社長のノートパソコンをはじめ各パソコンやサーバのデータなど、押収したデータの分析をはじめたようだ。ライブドアでは電子メールが意思決定・疎通の手段として使われ、社内には稟議書すらないという。特捜部では専門家らの協力を得て、データの復元も行い、事件の証拠固めをする。

スポンサードリンク

上記記事では「特捜部は捜索に先立ち、グループ元幹部から電子メールの提供を受け、その中に、事件を主導したとされる堀江社長や宮内亮治(38)、岡本文人(38)両取締役の関与を示す内容の記載があった」という表記があり、今件の捜索の一端が現代風の内部告白にあったようすがうかがえる。また、捜索開始前後で報道が右往左往したり情報が錯綜したのも、通常は方針決定の翌日に行う家宅捜索を、数時間後に強行する「電撃戦」で特捜部が望んだがゆえの結果だったようだ。

また同じく【Mainichi INTERACTIVE】によれば、マネーライフ社の買収は単なる資金調達の手段としての器として選んだだけで、事業として活用する計画は無いことも明らかにされた。上記参照記事にはそのプロセスが詳細に説明されている。要するに「虚偽の情報で値をつり上げ、一般投資家から資金を吸い上げるための材料としてマネーライフを買った」ということになる。

『ANN』では強制捜査における、ライブドアの社内電子メール履歴などが収められたサーバーへの当局の強襲のもようが報じられている。それによれば、捜索は関係者の呼び出しをせず、いきなりサーバールームなどを急襲する形をとったという。捜索直後のマスコミの取材に対し、堀江社長が驚いたようすで応答していた理由もここにあるのだろう。

さらに『FNN』では粉飾決算の指示のやり取りで使われた電子メールのコピーを独自入手したとしてその内容を報じている。詳細は記事を参照してほしいが、ライブドア本社の各事業部に、買収前の子会社の預金を売上として計上するように指示が行われていたようだ。題目としてはコンサル事業など実体の無いものだとしても、契約書・発注書をそろえればそれで説明付けはできると認識していたとのこと。

今回参照した記事も相変わらず「関係者」がニュースソースとなっているが、一部記事ではライブドアの内部関係者でないと説明ができないものも含まれていた。またあからさまに「グループ元幹部」という表記が行われているものもあった。このことから、捜索と前後してライブドアグループ内部でかなりの離反や不当行為への反発からの「告発」があったものと受け止められる。

このような場合、一度状況が変わると堰を切ったかのように事態は流れていくことが多い。今後ますます「関係者」による新たな事実が明らかにされていくものと思われる。業界内では随分前から色々と噂があったようだが、どこまでその噂が事実のものとして露呈されていくのか、注目したいところだ。

……しかし、子会社の利益を吸い上げて上場親会社の粉飾決算を行うという手法、結構IT系の企業で行われているような気もするのだが(謎めいた笑い)。


(最終更新:2013/08/29)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ