東京地検、証券取引法違反容疑でライブドア(4753)本社など家宅捜索へ

2006年01月16日 21:29

【NIKKEI NeT】などが報じたところによるとライブドア(4753)の関連会社であるライブドアマーケティング(4759)(当時バリュークリックジャパン)は2004年10月に出版業のマネーライフ社を株式交換で買収すると公表したが実際には公表前に買収先企業の株主に現金を渡して事実上傘下に収めており、開示情報そのものが虚偽で株価を上げる目的だった疑いがあるとして、東京地検特捜部は1月16日、証券取引法違反(風説の流布など)の疑いで、ライブドア本社や堀江貴文社長の自宅など関係先を家宅捜索した。

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関係者によると、ライブドアマーケティングはマネーライフ社を株式交換で子会社化すると発表した。しかしマネーライフは実際にはそれ以前に、ライブドアが出資して実質支配する投資ファンド「VLMA2号投資事業組合」によって既に買収されており、子会社化発表の際にはこれを隠して虚偽の事実を公表した「偽計」の疑いが持たれている。さらにライブドアマーケティングは11月12日、利益が無いのに、架空売り上げを計上して利益があったように装い「完全黒字化した」と虚偽の事実を公表した「風説の流布」の疑いがあるとのこと。

株価の上昇はその会社の時価総額を上げるため、金融機関から融資を受ける際の担保額も大きくなり、それだけ多くの借入をすることができるようになる。借り入れた現金を用いて企業買収をして増資を行ったり株式交換をして借金の返済にあてるなど、いわば「マネーゲームによる企業の維持拡大」に株価の維持・上昇は必要不可欠だった。今件はその「株価、しいては時価総額をかさ上げするために行った風説の流布である」として捜査の手が及んだことになる。

なおこのような重要な買収においてはライブドアでは堀江貴文自らが深く関与している場合が多く、今件において堀江社長がどこまで関与しているのかも焦点になるもよう。

今回の事件では夕方にNHKが第一報を流した直後、各報道機関で情報が錯綜し、ライブドア自身が否定したこともあって一部報道では「誤報である」との誤報が流れたこともあった。結局「これから捜索に入る」を一度は「すでに捜索に入っている」と報じたために生じた混乱であったことが明らかになった。

ライブドア本社のある六本木ヒルズでは【ライブドア家宅捜索、六本木ヒルズなど騒然】にもある通り、騒然とした雰囲気に包まれる事態となった。また今件の捜索劇は【ライブドア強制捜査:新興市場に冷や水浴びせる恐れ】でも指摘されている通り、特に類似業態の他社への株価に影響を与え新興市場そのものの雰囲気を冷やしてしまう可能性もある。

また早くも政治の面では【ライブドア:強制捜査 自民党幹部、堀江氏に早くも予防線】にもある通り、与野党ともに「予防線」を張る動きが出ている。特に先の参議院議員選挙の際に堀江氏を後押しした自民党では動きが活発化している。

何か大きな出来事、特に経済的な事件があった際には良く「それでも、ホリエモンならなんとかしてくれる……!」というパロディが特にネットコミュニティの中で合言葉的にささやかていた。手持ちの資金を縦横無尽に使い次から次へと手を打つその姿を的確に表現した揶揄ではあったが、今件だけは「ホリエモンでもどうにもならないかも……!?」という状況なのかもしれない。


■関連記事:
【ライブドアに証券取引法違反容疑で捜索、株式分割を巡る不正、か?】

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