【更新】日証協、みずほ証券の誤発注利益返上受け皿に「新基金」創設を提案
2006年01月13日 08:30
[YOMIURI ONLINE]などによると[日本証券業協会]は1月12日、証券会社14社の代表が集まる証券戦略会議を17日に開き、【みずほ証券】による【ジェイコム(2462)】株式の誤発注に絡んで利益を出した証券会社がその利益を返上するための受け皿として、新基金の設立を提案する方針を固めたという。新基金は日証金が管理・運営する。
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新基金で集まった資金は全国の証券取引所が災害時などに活用できる保管的な証券売買システムの研究や整備などに使うことを検討しているという。この基金提案に伴い、日証金では証券各社に対して、ジェイコム株式の取引で得た利益を「自主的に基金に献金するよう」呼びかける方針。
記事では大手だけでなく中小の証券会社をあわせ、すべて自主的に献金された場合、新設される基金の規模は200億円を超える可能性もあるとしている。
一見すると素晴らしい対応策のようにも見えるが、よくよく考えると問題も少なくない。法的根拠が無いのに表向きは自主的にという勧告だが事実上の献金強要という呼びかけ行為や、資金運用を行うのが問題の原因となった東証自身と浅からぬ関係のある日証金であることなど。基金の目的も証券業界全体の貢献のためにとうたわれてはいるが、それが果たして有効的・効果的に用いられるかどうかを第三者が監視する余地がないあたりも気になる。
「どのみち自分らにはまったく縁のない話だ」といわれればそれまでなのだが、このような形で「新しい枠組み」が作られるとなると、「降って沸いた金だから使い道は大雑把でいいや」とか「天下りの温床になるのでは」というお決まりのパターンが該当してしまいそうでならない。法的な縛りが無い限り自主規制などというものは役に立たない、逆に「法的根拠が無ければ何をやってもいい」というやり方がまかり通ってしまっている昨今だからこそ、十分ありうる話として危惧をせざるを得ない。
また、【ライブドア(4753)、無配継続決定。ライブドア証券のみずほ誤発注利益も返還せずと宣言】にもある通り一部証券会社では利益は返上しないという方針を固めていたり、別の方法で還流させたところもある。これらの証券会社に献金を強要したり、献金しないことで何らかの対応をしたとすれば、それこそ恐喝に他ならない。元々矛盾したシステム・仕組みが今件の原因だっただけに、後始末も矛盾と対決しながらのものになりそうだ。
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