【更新】陸海空自衛隊の公式サイト、アクセス数でヒートバトル

2006年01月07日 09:00

インターネットイメージ[YOMIURI ONLINE] によると陸海空の三自衛隊の公式サイトが、アクセス件数を巡ってライバル争いを繰り広げているという。元々人気が高いのは【空自(航空自衛隊)の公式サイト】だが、昨年2005年になり【海自(海上自衛隊)の公式サイト】が逆転。一方、一昨年までは海自とどんぐりの背比べ状態だった【陸自(陸上自衛隊)の公式サイト】が取り残された形となった。陸自幹部の中には「イラクなどでの活動を知って欲しいのだが、なぜ件数が伸びないのか」と真剣に悩む者もいるという。

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三自サイトイメージ防衛庁によるデータでは、2004年における各公式サイトのアクセス件数は陸自143万、海自148万、空自184万。ところが2005年(11月まで)になると、海自がデザイン刷新効果が出たのか183万件と空自の181万件を抜いてトップに。(人員数で比較する意味などないのだが)記事によれば人員数では海・空の約三倍の陸自は134万件と伸び悩んでいるという。

内部事情も記事で述べられている。空自では業務柄コンピュータに熟達した隊員も多く、デザインから更新まで空幕広報室の隊員が担当。パズルなどができる子供向けのコーナーを設けるなど嗜好も凝らしている。それでもやはり海自に抜かれたのが悔しいのか「もっと力を入れたい」とライバル意識を見せているという。

一方海自では外部業者と契約してデザインを改めた。現在でも隔週で改修を続け、トップにはフラッシュなども導入しているという。きっかけは「今どき、HPが悪い企業はダメな企業なんだぞ」というOBの指摘(自衛隊は企業ではないのだが……)。

陸自の公式サイトは広報室と通信関係部隊の隊員が担当。去年7月にはレイアウトを変えたものの、他に比べると堅めの印象が否めない。専従担当者もいないという。

ツッコミどころ満載の実情が分かる参照記事だったのだが(思わず説明の途中でもツッコミを入れてしまったくらいだ)、まず最大のツッコミどころは「アクセス数競ってどうするねん、本末転倒やがな」というところだろう。企業の公式サイト新設が流行ったころの話ではないのだから、単純にアクセス数を増やして何の意味があるのかと激しく問いただしたい。アクセス数に比例して隊員が増えるなり報奨金がもらえれるのなら話は別だが。あるいは「アクセス数が増えればそれだけ人気がある」と認識しているのだろうか。ならば広告費をかけてバナー広告でも何でも打てばよいだけの話。

まずは「公式サイトを運用してどのような効果を望みたいのか」を明らかにすることが大切。アクセス数の増加はその目的達成のための一手段でしかなく、目的そのものでは決してありえない。組織構造や活動内容を知ってもらいたいのか、隊員募集をチェックしてもらい応募してもらいたいのか、まさにそれは、ごく普通の企業のサイトと同じ手法。

一方、公的機関である以上、他の公的機関サイトと同じように「ハードルの低さ」「親しみやすさ」をアピールすると共に、「理解のしやすさ」「情報の整理整頓と公開情報取得のしやすさ(もちろん機密情報は別だ)」などを考慮した上でコンテンツの骨組みを構築し、ユーザービリティに富んだサイト構築を果たさねばならない。効果を高めるためにはそれこそSEOやSEMを十分に行う必要もあるだろう。

予算の都合もあるだろうが、陸自にいたっては専従担当者すらいないというのは驚き。いっそのこと当方が立候補したくなるくらいだ(お問合せはページ上部の「お問合せ」ボタンから(苦笑))。

セキュリティ対策ももちろん大事。それを含め、三自衛隊のサイトには「アクセス数のみを競い合う」という不毛なことをせずに、他国の優秀な軍関係のサイトを参考にし、世界に誇れる内容を送り出してほしいものだ。

……ちなみに海自のサイト。トップページにFlashを持ってきて「彩り豊かな」とか元記事では賛美されているが、キャンペーンサイトでもない限り表紙ともなるトップに環境を選ぶFlashをおいて「Skip」ボタンすら用意されていないのはいかがなものかと。

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