郵政公社、投信の販売追加前倒しで実施。売れ行き不振のてこ入れのため

2006年01月03日 09:50

日本郵政公社イメージ【FujiSankei Business-i】によると【日本郵政公社】は昨年10月から全国の郵便局で取り扱いを始めた投資信託商品(投信)を拡充し、予定の6月よりも早く春先にも売り出す方針だ。伸び悩む販売のてこ入れが狙いで、郵便局に投信を供給したい証券会社などを対象とする入札を月内にも実施する。また、取扱い郵便局も現在の575局から大幅に増やすという。

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【先の記事にもある通り】、郵政公社は来年10月からの民営化を見据え、投資信託の販売に参入し、現在ではリスクが比較的低く「投信初心者向け」の3商品を取扱っている。だが今商品だけでは売行きが好調とはいえず、予定の半分程度のペースに留まっているという(昨年12月待つまでの販売実績は300億円強、3月までの販売目標を1713億円と設定)。

参照記事ではこの低迷を、「参入直後なため販売時の説明を慎重に行っているため」「リスクの低い商品のみなので顧客の選択肢が限られてしまっているため」「顧客の安定志向が強い」「販売している郵便局が少ない(全国24700の郵便局のうち販売しているのは575局のみ)」などの理由を挙げて分析している。

もっとも記事で指摘されているウィークポイントは郵政公社でも把握しているようで、取扱い投信の種類の拡充や販売郵便局の増加を押し進めようとしている。追加される投信ではこれまでの「ローリスク・ローリターン」なものばかりだけではなく、比較的リスクの高いものや、社会的責任投資に重点を置いたファンド、環境を重視したファンド、高配当向けファンドなど、多彩な品揃えを用意するようだ。

特に「販売郵便局の少なさ」「取扱商品の少なさ」は大きな問題点といえるだろう。実際当方(不破)も郵便局で販売している投信のパンフレットを郵便局でもらおうとしたが、近所の郵便局には一切用意していなかった。かろうじておいてあった一局も、わずかビラ1枚の概要説明書のみ。これでは記事にしようが無い。よっぽどミニコミ紙の投信特集の方が役に立つ。また、販売業務を実際に行う郵便局が身近にない(あっても多少遠出をしなければならず、平日のみの開局なので結局行くことができない)。

「安全性が高い・元本保証イメージ」がある郵便局ならではの特殊事情もあるだろうが、完全な民営化を果たす以上、投信事業に参入するのなら中途半端なやり方ではとても他の「ライバル」に追いつくことはかなわないだろう。目標設定額の高さなどからうかがえるがそれを良しとしない以上、少なくとも既存民間金融機関並の営業努力は必要となるはずだ。


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