読売テレビ、6月にもドラマ内広告番組試験提供
2006年01月14日 08:30
【大阪日刊スポーツ】によると読売テレビは1月12日、年頭社長会見の中で、今年の6月にもドラマの中に商品広告を組み込む番組(俗に言う「ドラマ内広告」「プロダクト・プレースメント」)を制作することを明らかにした。アメリカなどではすでに一般化されているもので、出演者が使う小物やセットなどにスポンサー商品を使うことでアピール度を高め、代わりに通常のCM部分は短縮されるという。
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記事によればこの特番は90分枠で作成。「うまくいけばこの手法を取り入れてDVDなど2次使用にも利用したい」と読売テレビ側では見ている。
この元記事でまず驚いたのが「日本のドラマって多かれ少なかれプロダクト・プレースメントの手法が用いられているのが大半じゃなかったのか」ということ。あるいはテレビ局の上層部だけの認識なのかもしれない。だが、ドラマにおいてスポンサーとライバル関係にある商品は「絶対に」使われない、万が一画像に映りこむようなことがあれば不自然であろうとも合成処理をいれる、スポンサーの力が大きいとその関係の商品が不自然なほど多く露出されたりアップされることがある、単発ドラマでは特にスポンサーとのタイアップが前提となるなど。(例えばコーラなど)商品の実名がよほど著名でない限りはその商品名は出ないものの、スポンサーの商品が意図的に登場されて刷り込み効果が狙われるのは日常茶飯事のはずなのだが。
また、この手法では先進国であるアメリカでは【先にも記事になったとおり(「ドラマ内広告」の増加にアメリカの脚本家組合が抗議)】、脚本をはじめ現場の手間が非常に大きくなる。スポンサー側が気まぐれで次々と意見を出してきて脚本を引っ掻き回したり、営業戦略と称して締め切り直前にまったく逆の手法を強要することなど容易に想像できる。
よほどうまい脚本家を用意して現場への手当などしっかりとした各種システムを構築しておいたり、線引きをしておかないと、スポンサーのきまぐれでぐちゃぐちゃにされたベタな内容のドラマができてしまうだろう。それこそ「ごく普通のテレビCMか、通販の商品紹介番組の方がまだマシだ」となってしまう。
恐らくは「テレビCMの効果が薄くなってきたと叫ばれているしスポンサーも疑心暗鬼。ここは一つ広告と番組を融合化させるプロダクト・プレースメントとやらの手法を取り入れて広告費の減少を抑えよう」という程度の軽い気持ちでの決定打と思われる。だがよほど注意して事を進めないと、かえってマイナス効果となりかねないだろう。
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