東証、株式売買の処理能力をさらに増強。6月めどに7割増の1500万件へ
2006年01月13日 08:30
【NIKKEI NeT】によると【東京証券取引所】は株式市場が今後ますます活性化していくことに対応するため、売買システムの能力を大幅に増強する。増強はすでに先の連休に行われたばかりだが(【参考記事:東証、三連休を利用してシステム増強前倒し、一日あたりの処理件数を750万件から900万件へ】)、今回は現在の1日あたりの処理件数900万件から1500万件へと7割程度の大増強となる。6月をめどに実施する予定。さらに現在システム負荷が大きく、(処理の遅さなどに)不透明との批判も多い株式注文の訂正や取り消しについての監視も強める。
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記事によれば先に報じられたとおり(【参照記事:東証、全国取引所を統一すると共に世界先端システム導入を検討】)、2008年3月までには400億円を超える額を投資し、処理能力が高い次世代システムを構築、安定したインフラを作り上げるという。昨年12月には1日あたりの注文数が540万件と1年前の2倍強に達しており、またインフラである以上、堤防にたとえるのなら「水かさが増して決壊してから増築工事をするのでは間に合わない」のであり、早めの増強が求められていた。
注文数の増加は個人投資家によるインターネット経由での小口取引の急増と共に、外国人投資家からの多数の銘柄を組み合わせた注文にも起因していると記事では分析している。手口情報が一般投資家には完全非公開となったので詳しい資料は求められようもないが、すでに何度か記事にした通り各種ネット上でのリサーチデータなどによると、ネット証券会社を利用した個人投資家数自身の急増は事実である。
相場が絶望的な状況にならない限りここしばらくはこの傾向は続くものと見られるから、東証の判断は的を得ているといえよう。ただ今回の増強はいわば現行システムにつぎはぎをして増強する感が強く、不具合が出ないか心配ではある。本来なら連休の際に増強と試験運用を行うのがベストなのだが……。
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