同キャンペーンは複数のページで累計してポイントを取得でき、しかもそれがメールアドレスなどの入力で新規登録できるアカウント単位で獲得できた。データの入力次第では同一人物が多数のアカウント(俗に言う「捨てアカ」)を取得して、キャンペーンページで次々にポイントを獲得、それぞれのアカウントで溜まったポイントを元に(多い場合は数千円の)買い物をすることを繰り返す行為が可能だった。

いわばこの「システム上の穴」はキャンペーン開始直後から指摘されていたが楽天側では1月5日前後まで状況を静観。それ以降になってようやく各種キャンペーン(「楽天ブックスポイントプレゼント」以外にも年末年始企画でいくつかポイント取得企画があった)を取りやめるなどの措置をはじめ、8日9日に「楽天ブックスポイントプレゼント」で取得されたポイントの一斉マイナス処理を行った。

マイナス処理された履歴

楽天側の説明では「正規の利用であると(楽天側が)判断したユーザーには別途連絡し、マイナス処理をしたポイントを元に戻す」としている。

なお今回の取り消し騒ぎで、ポイントが取り消された会員に送られてきたメールの内容は次の通り。

システム上の不具合を数日以上にわたり放置した上で、簡単な操作で取得できるポイントで買い物を誘導(キャンペーンサイト上では「さあ手に入れたポイントを使って、楽天ブックスで買い物をしよう」という主旨のメッセージが記されていた)。そのあとで「キャンペーンは中止、ポイント取得は無効、使われた分の代金は徴収する」という、いわば今流行の「ワンクリック詐欺」「フィッシング詐欺」といわれても仕方の無いような対応が行われたことに対し、さまざまな問題が生じているとの話もある。

システム上の「穴」への対処が遅く、慌てて打った手が法的に問題が生じうるような内容だったことについて、事後処理そのものの内容や事実との整合性をどのように判断するのかなどとあわせ、今後論議が行われるであろうことは想像するに難くない。

※追記記事(22:00):本日『「楽天ブックスdeマイルキャンペーン」他にお申し込みされたお客様へ』という発表がなされたがそれによると、「ANAマイレージクラブWEB入会キャンペーン」「楽天ブックスdeマイルキャンペーン」で取得したポイントを一度取り消す、ANAマイレージクラブに正規申し込みをしていればポイントの取り消しの取り消し(苦笑)を行う、とある。が、確認をどのように行うのか(個人情報の取り扱いの問題もあるだろう)、またブックスキャンペーンで正規にポイントを取得した人らは一刀両断にすべて不正と見なしてしまうのかとも受け取れる表現に、不信感を高める人も少なくあるまい。

※今件については当方自身も正規に取得したにも関わらずポイントをマイナスされたいわば当事者(被害者?)の一人であり事態を昨日の段階で把握していましたが、状況を鑑み、一般メディアにて報じられたのを確認した上で、初めて記事として掲載しました。

■関連参照記事:
【楽天、キャンペーンポイントの大量獲得者への代金請求は「検討中」 (INTERNET Watch)】
【楽天ポイント、大量取得続出で混乱　キャンペーンを休止(asahi.com)】

(最終更新:2013/09/04)