迷惑メール送付業者に112億ドルの支払命令
2006年01月08日 09:30
【HOT WIRED Japan】によると、アメリカのインターネットサービスプロバイダー(ISP)である【CISインターネットサービシーズ社】が、迷惑メールを大量に送付したフロリダ州在住の男性ジェイムズ・マッカーラ被告を訴えていた裁判で昨年の12月23日、この男性に対して112億ドル(約1兆3000億円)の支払いを命じる判決が下された。すでに関連する裁判ではフロリダ州とアリゾナ州の企業に対して10億ドルを超える支払いを命ずる判決が言い渡されている。また被告には今後3年間インターネットへアクセスすることも禁じられた。
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勝訴したCIS社の所有者は「電子メールの危険性を悪用する卑劣な者たちは、公衆の面前で嘲笑の的になるだけでなく、金銭的にも厳罰を受けることになる」と今回の判決の意味の大きさを評している。
記事によれば被告は2億8000万通を超える違法なスパムメールをCIS社のネットワークに通信したという。また、CIS社が被害を受けた関連する訴訟案件では、同社のドメインから発信したように偽装してスパムメールを送り、苦情が同社に送られるように偽装したものもあったという。
州法に基づけばCIS社は不正なメール1通につき10ドルを受け取る権利がある。またその一方で記事では業界団体の話として、インターネット上の電子メールの3分の2がスパムメールであることが語られている。
アメリカではスパムメール(大量の宣伝メール)送信自身は違法ではないという。違法になるのは電子メールで企業ドメイン名を偽ったり、誤解を招く件名をつけるといった不正な内容を含むメールを送信した場合のみだ。その一方、オーストラリアではスパム送信そのものが違法とされているという。
日本では一応官公庁の通達で、オプトインタイプでない宣伝メールについてはタイトルに「未承諾広告」をつけることを義務付けている。だがそもそもスパムメールを送りつけるような輩はそのような決まりを守るべくもないので、メーラーのフィルター機能もほとんど役に立たない。罰則も無いに等しいのでまさにやりたい放題。自動送信ソフトを使うだけでなく、安価で雇った複数のアルバイトに送付させたり送付元メールアドレスを偽装して発信元をごまかしたり、万が一の際の責任回避を図ることなど朝飯前の状態だ。
オーストラリアやアメリカと同じように、日本でも先人の法例を参考にしながらスパムメールに厳罰を処する法を制定し厳密に履行する必要があるだろう。さもなくば折角便利な道具である電子メールも、ジャンクメールに埋もれて役立たずになるだけでなく、緊急時に使えないという困った事態に陥ることになりかねない。
アメリカで1通10ドルなら、日本では「1コインペナルティ」として1通500円ということで、どうだろうか? ホンネをいえば同じ1コインでも10万円金貨くらいの罰則を与えても良いとは思うのだが。
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