ブログにトラバスパムの悪夢。電子メールの二の舞か

2005年12月23日 08:30

【IT media】において、ブログサービスで行われるトラックバックを用いたスパム行為による被害が深刻化し、サービスに遅延が生じる実害も出てきたという記事が掲載された。抜本的な解決策も無く、現状の「スパムにまみれた電子メール」と同じ道をたどる可能性を示唆している。

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トラックバックとは潜水艦における「アクティブ・ソナー」のようなもので、自分の記事と関連があったり参照したブログに対して「参照にしましたよ」という意思表示と、該当する相手ブログに自分のブログへのリンクを貼るべく信号を送ること。もちろん受け手側のブログでは送られて(該当ページに自動的にリンクが貼られた)トラックバックを削除したり、最初からトラックバックを受けつけないようにすることも可能だ。

記事ではトラックバックスパムを次のように定義している。

トラックバックスパムとは、ブログ記事とは無関係な迷惑トラックバック。アダルト系や出会い系サイト、ワンクリック詐欺サイトに誘導するほか、SEO(検索エンジン最適化)用キーワードとアフィリエイトリンクだけで構成した、アフィリエイト目当てのブログへリンクするものも多い。


他に通販サイトへの誘導も多いことを経験則から付け加えておく。当サイトでもちょくちょくそのようなトラバスパムに遭遇する(先日もダイエット記事に株式の有料情報サイトへの誘導トラバスパムを着信した。しかもその記事が書かれたのは夏。何を考えているんだ……って何も考えず機械的にやってるんだろうな)。それはともかく、トラックバックスパム(略してトラバスパム)の特徴は、スパムメールと同じで「機械化でき、低リスク・低コストで実働可能。被害者には消極的防御策しか打つ手がない」。

「実害」の実例としては【ニフティのブログサービス「ココログ」への不満で、社長が自分のココログにて謝罪】でも触れた、【ニフティ】のブログサービス【ココログ】の機能低下。ニフティ側の発表ではレスポンス低下の原因はトラックバックスパムにあるとし、定期的に通常の7倍ものトラックバックが送られて負荷が急増するという。また、一部大手検索ポータルサイトではトラックバックの多さもそのブログへの「評価」の一環となっているため、トラバスパムを放置するブログが多く、事情を知らない読者が見るとあきれ返る事態も起きている。

記事に掲載されているアンケート結果を見ても、多くの人がトラバスパムの被害を受け、ブログのイメージ低下を懸念している。

色々とブログ提供会社やプロバイダも対策を練っているようだが、スパムメールがさまざまな対策がなされているにも関わらず減少するどころか増加の一途をたどる現状を見るに、少なくとも通常の手段ではトラバスパムを抑えることは難しいだろう。

トラバスパムとスパムメールの大きな違いは、メールよりもトラバの方が「スパム送信側の意図、誘導したい場所」がより明らかなこと。第三者の業者に依頼したにせよ当事者がやったにせよ、スパムの送り手がどこにいてどのサイトを管理運営しているかは、受けたトラバスパムのリンク先を見れば明らかだ。

トラバスパムがおさまらないのは「低リスク・低コスト」であるため。そして被害者側が「消極的防御」しかできないため。逆に考えれば、「低リスク・低コスト」でなければ、そして「積極的防御」言い換えれば「攻勢防御」を行うことができれば、トラバスパムを押さえつけることは不可能ではない。

トラックバックスパムを行うことで、どれだけ大きなリスクを抱えることになるのか「分からせる」よう、「攻勢防御」を採る時期にきているのかもしれない。

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