「世界の笑いものになる可能性も」みずほ証券の誤発注で指摘
2005年12月09日 07:05
【Infoseekマネーニュース】によると、【みずほ証券】が【ジェイコム(2462)】の株式誤発注をして巨額の損失を発生させた問題で、システム上の問題を指摘すると共に、リスク管理や法令順守の甘さの点から「世界の笑いものになる可能性もある」という指摘がなされている。
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記事によれば今回の誤発注において、売りに出された注文株式数は総発行株式数の数十倍にも及び、「実際に存在する株式を大きく超えていた」。このような注文がたとえ入力ミスだったとしても実際に約定できたことについて、システム上の問題があるとし、みずほ証券だけでなく東証の取引処理の信頼性に疑問を投げかける関係者もいるという(一般投資家の間にもその疑問を持つ者は多いはずだ)。
SMBCフレンド証券の中西氏の談では「みずほ証券の社内手続だけでなく、東証マザーズの受注システムの脆弱さが浮き彫りになった」と指摘すると共に「これでは、日本の市場がリスク管理とコンプライアンス(法令順守)の甘さという点で、世界の笑いものになってしまう」と危惧している。また、金融庁がみずほ証券や東証に対し、何らかの処分を行う可能性もあるという観測も明らかにしている。
記事では2001年11月に【電通(4324)】が上場した際、UBS証券が同様に「枚数と株価の入力を入れ間違え」、後ほど買戻しで大きな損失を出した事件があった。その件をきっかけに、証券会社では誤発注の発生を防ぐ体制作りなどに取り組んでいたはずであった。
【先の記事(みずほ証券によるジェイコム(2462)誤発注問題、損失は270億、1000億にまでふくらむ可能性も)】にもある通り今回の誤発注では「警告を見落とす(無視する)」という、システムを動かす人間側の(慣れによる)怠慢行為と共に、注文取消し指示が作動しなかったというシステム上の問題が露呈されている。これでは「誤発注の発生を防ぐ体制作りといったところで、形ばかりを見繕っただけに過ぎなかったのではないか」「体制を作ってもそれを無視する行為が横行していたのではないか」という批難を受けても仕方が無いだろう。
世界の笑いものになるだけならいいが、それが元で海外(外国人)投資家に逃げられて日本市場が冷え切ってしまったのではたまらない。東証自身も自社の上場云々を急ぐ前に、為すべきことがあるのかもしれない。
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