宮(9901)、12月1日から監理ポスト割り当て。報告書の不備で
2005年12月01日 06:35
【JASDAQ】は11月30日、関東を中心にレストラン「ステーキ宮」や居酒屋「暖や」など多角展開をしている飲食チェーン【宮(9901)】を12月1日から監理ポストに割り当てることを発表した(【発表リリース、PDF】)。半期報告書提出の遅延などによる。
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発表リリースによると、監理ポストに指定した理由として直接的には期限までに半期報告書を提出していなかったことによる。遅れた理由としては「複数年度にわたり不適切な会計処理が行われてきたという疑義が生じたため」、場合によっては上場廃止基準に該当することになるためとしている。
なお12月1日6時現在、【宮のウェブサイト】には今件に関する説明はなされていないものの、その理由についてリリースは交付されている【発表リリース、PDF】。それによると、
1.不適切会計処理は事実。損失計上は約15億円
2.損失計上後も50億円以上の資産超過。資金繰りに問題は無い
3.不適切会計は会計責任者である専務が、業績の不振を開示すれば株価に悪影響を与えると判断したため
としている。宮側では該当専務を解任すると共に、社長兼会長の鈴木栄一氏の取締役退任などの各種人事刷新などを打ち出すと共に、役員らの減俸処分を発表している(【代表取締役の異動に関するお知らせ、PDF】【「代表取締役の異動のお知らせ」の一部追加について、PDF】)。
宮は年2回、最低単元数で優待券かコシヒカリ10Kgを配布する優待銘柄としても名を知られていた。また、来年は復配になるかもしれないという四季報の記述などで期待を受けていた面もあった。今回の不祥事発覚と監理ポスト行きという事態に驚いている投資家諸氏も多いことだろう。
なお同社の監査法人はくだんの中央青山。リリースによると不適正会計の手法としては①100%子会社の建設取引を仮装したもの②「割引優待券」を利用したもの③広告宣伝費の取引業者への付回し④有形固定資産の架空計上など、ごくありきたりの手法であり、監査法人が見抜けなくてどうするか、というもの。「青山リスク」という言葉が冗談半分で語られていたが、あながち冗談とも言い切れなくなった感があるのは気のせいだろうか。
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