【更新】6証券取引所、不自然な株式売買監視を証券会社に義務付けへ
2005年12月14日 06:55
[YOMIURI ONLINE]によると、東京・大阪など全国の6証券取引所は来年6月から、不自然な売買の強化監視を証券会社に義務付ける方針を固めた。曰く、インターネットを通じた株式売買で、大量の注文訂正や取り消しによる相場操縦と見られる不自然な行為が増えていることによる。
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不自然か否かについては、不審顧客を抽出するための共通基準を各取引所が設定。証券会社に対して調査を求め、悪質な場合は取引中止命令もありうる。
記事では個人投資家の株式売買の8割を占めるデイトレーダーの存在と、ネット証券の利点(料金の安さ)を利用した不自然な取引が見られることを紹介。さらに新興市場では注文の訂正や取り消しが注文件数の3から4割に及び、システム障害の一因と位置づけている。
なお、検討中の不審顧客の抽出基準としては
顧客が特定の株の当日の売買高の5%以上の取り消しを1回で行い、その直前3分間に売買を行ったことが後で確認された場合などを審査対象とする。
と記述されている。
成功した個人投資家らの資金運用額が増えたことで、指摘の通り機関投資家となんら変わらないレベルでの見せ板行為をはじめとする「不自然な動き」が行われていることは、肌身を持って感じている人も多いはず。特に出来高の少ない新興銘柄などで多く行われているもようだ。ただ、それ以上に「手口の完全非公開化」以降、機関投資家や証券会社の自己売買による同様の動きがあるのも否定はできない。
個人投資家向けの規制のみを強化し、機関投資家・証券会社の自己売買への規制は緩和する、あるいはそのままでは、[与謝野金融相]いわく「美しい話ではない」のに違いはあるまい。
ましてや、[みずほ証券]の誤発注問題で証券会社の自己売買に関するさまざまな疑問が持ち上がってきたこの時期に今件のような問題定義がなされるとは、色々「勘ぐられても」仕方のないところといえよう。
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