みずほ証券によるジェイコム(2462)誤発注問題、損失は270億、1000億にまでふくらむ可能性も

2005年12月09日 06:45

12月8日に東証マザーズに上場したジェイコム(2462)への誤発注問題でみずほ証券の福田真社長は8日夜記者会見し、内部管理体制に不備があったことを認めると共に、今回の誤発注に絡んだ損失は「含み損を含めて270億円」と明らかにした(【参照記事:NIKKEI NeT】)

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福田社長は今回の誤発注の原因を

・価格と株数を逆に入力するケアレスミス
・警告を見落とす(無視する)
・入力1分25秒後に気づき注文取消し指示を3回入力したが対応せず


としている。記事によればその後みずほ証券では売り注文の大部分、48万株ほどを市場で買い戻し(実際、寄り付くまでに数十万枚単位での大量の買い注文が入ったという目撃談もある)を行っている。

福田社長は今回の損失を「含み損をあわせて270億円。今後多少増額する見込み」とすると共に「みずほ銀行などの協力体制もあるので、財務内容から鑑みても資金繰りに懸念材料はない」としている。

今件についてはすでに本日12月9日付の日経新聞一面で報じられるなど、少なくとも経済的には大きなニュースであることに違いはない。だが明確に表明された損失が270億円であること、買戻しの必要がある株数が多少であることなど、収束の方向に向いつつあるとする意見が多い。

その一方、【Mainichi INTERACTIVE】などが指摘している通り、公募・売り出し株数の3,000株はおろか総発行株数である1万4,500株をはるかに超える(少なくとも)約10万株についてはまだ買い戻せておらず、この株式(まだ受け渡しはされていないので正確には株式取得権と表現した方が妥当かもしれない)をどうするのかという問題がある。上記記事では、株券の代わりに現金で支払うかどうか(「解け合い」……今回のような売買の収拾がつかなくなったと判断された場合、一定の値段で参加者の既存売買契約を決済すること)を東証と協議する方針だという。

今後のジェイコムの株価動向や対応次第では、損失は上記記事にある通りみずほ証券が明示した270億円をはるかに超える、1000億円程度にまでふくらむ可能性も否定はできない。

なお前後してジェイコムの岡本泰彦社長も記者会見を行い、当日自社株の動向をリアルタイムで見ていたと述べ、「誤発注が事実とすれば遺憾」「通常の形で実力を適正に評価してほしかった」と不満の意を表明している。また、今件が当日の東京株式市場の冷や水となってしまった件については「当社は通常のルールに従って上場したまで。証券会社1社のミスで市場全体の下げにつながったのは大変遺憾」と語っている(【参照記事:同】)

当然のことながら、みずほフィナンシャルグループ(8411)やその関連銘柄の株主の間には動揺が広まっている。起きてしまったことはもう巻き戻しができないのだから、かくなる上は正しい情報の速やかなる開示と万全な対応、そして再発防止策の徹底を断固として行うしかないだろう。

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