アマゾンで各部門年間ベスト10発表、ゲームトップテンに見るアマゾンの「仕組み」

2005年12月05日 08:00

『Amazon.co.jp』でセールス年間ベストが発表された。他所で和書や洋書など有名どころのランキングに関する解説がなされているので、ここではあえて、『ゲームソフト総合トップテン』を考察してみることにする。

スポンサードリンク

発表されたゲームソフト総合トップテンは次の通り。なお、具体的にどれだけの本数が販売・予約されたのかは明らかにされていないし、「販売実績のベストテン」とも明記されていない。

1:キングダムハーツII(PS2)
2:テイルズ オブ ジ アビス 特典 10周年記念ファンディスク テイルズ オブ ファンダム 外伝DVD付(PS2)
3:東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング(NDS)
4:ロマンシング サガ -Minstrel Song-(PS2)
5:真・三國無双4(PS2)
6:機動戦士ガンダムSEED 連合VS.Z.A.F.T 特典 プレイヤーズリファレンスブック付き(PS2)
7:ファミコンミニ スーパーマリオブラザーズ(スーパーマリオブラザーズ20周年記念再販)(GBA)
8:バイオハザード4(PS2)
9:第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-(PS2)
10:ワールドサッカーウイニングイレブン9(PS2)

第3位以降は今年一年のゲームセールスを振り返ってみると「なるほどな」と納得がいくところもある。「そういうこんなタイトルが大ヒットしてたっけ」と思わせるものも。それよりも気になるのは第一位と第二位。発表時にはまだ発売されていない、予約受付中のタイトルがトップとセカンドの両方を独占しているというのはどういうことだろうか。

今年一年のこれまでのタイトルのセールスを覆すほどの勢いで予約が入っているのだろうか。確かに両者とも定番タイトルのシリーズで固定ファンも多い。また、店頭での予約・販売の実績と、ネット上での予約・販売のアマゾンとではセールスにおける傾向もかなり異なってくるだろう。あるいは、政治的その他思惑による加算があるのかも。

和書のトップテンなどがほぼ実売数に即したランキングとなっていることを見ても、予約を集めるための意図的な順位かさ上げといった、政治的思惑の色は薄そうである。となると、どうやら「簡単にネット上から予約できる」というアマゾンの特質を如実にあらわした稀有な例として、考察の対象になるのかもしれない。

アマゾンで買い物をした人ならすでに何度も経験しているだろうが、参照したり購入したアイテムは履歴として残され、その行動パターンを元に「オススメ商品」が目に止まる形で掲載される。同じような趣味趣向を持つだろう人が買った商品が、「オススメですよ」と表示されるわけだ。

例えばダイエット関連本を買った人Aさんが、ダイエットの健康機器も買ったとする。別の人Bさんが同じダイエット関連本を買った場合、「この人もダイエットの健康機器を買うかもしれない」ということで、Bさんのオススメ商品にダイエットの健康機器が映し出されるわけだ。もちろんシリーズものの場合、以前Aさんがあるゲームを買っていた場合、そのゲームのシリーズ最新作の予約が始まると「最新作の予約が始まりましたよ」と教えてくれるわけだ。

ゲームの場合は娯楽性が高いため、好き嫌いの傾向が強い。その分、似たような趣向を持つ人の場合、同じようなゲームを薦められるとつい目がいってしまう。その「人の弱さ」を巧みについたアマゾンの「仕組み」が、今回のような「シリーズものの大作」における予約の多さという結果を導き出したのだろうと思われる。


(最終更新:2013/09/19)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ