運命の10分間、ジェイコム(2462)株式の誤発注でみずほ証券と東証とのやりとり

2005年12月18日 13:07

【Mainichi INTERACTIVE】において、先にみずほ証券によるジェイコム(2462)株式誤発注に始まった一連の「誤発注事件」において、【東京証券取引所】が誤発注に気がつきみずほ証券が取り消しを断念するまでのやり取りが掲載された。あくまでも「関係者の証言などで判明した」とあり、公式見解ではないが、注目すべき内容ではある。

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記事ではみずほ証券の営業部門の男性社員が誤入力を行った午前9時27分から、取り消しを断念した37分までにおける、東証とみずほ証券のやり取りが比較的詳細に描かれている。詳しくは上記記事を参照してほしいが、誤入力からわずか1分後には東証側で異常に気がつき電話連絡を入れたこと、合計で4回電話のやり取りをしたことなどが語られている。

さらに、東証側に、このような異常事態が発生したときに緊急売買停止を決める権限を持つ東証側にその発動をする具体的な手法が無かったこと(東証の売買システムは発注端末、つまりみずほ側の端末、経由でないと取り消せない)やこのような事態への対処マニュアルが存在しなかったことも明らかにされた。

今記事だけでも「東証側の危機管理体制がお粗末だった」といえるものだが、記事の結びに書かれている東証側スタッフの「このままでは売買停止にせざるを得ない」という言が気になる。この発言があったにも関わらず実際には、12月8日は終日ジェイコム株式の売買が行われ、情報の公式発表も場が引けた後になった。問題が認識されながらその異常事態が半日も放置されたいう事実は、非常に問題だと言わざるを得ない。

システムに不具合があり取り消しができなかったとしても、みずほ証券が取り消しを断念した9時37分以降、余裕を見て30分だとしても10時過ぎあたり、時間を十分にとったとしても午前の場が終了した段階で売買停止を指示することはできなかったのだろうか。「どうしたら良いか分からないし今日は公開初日なのでいきなり売買停止などしようものなら何を言われるか分からない。責任問題となるかもしれない。とりあえず本日(8日)はそのまま場を開いてしまおうか」という考えだった可能性が高い。

東証の体質によるものか、それともその場に権限と決断力のある人がいなかったからゆえの不幸なのかは分からない。だが少なくとも、事態の異常さには気がついていたのだから、後場が始まるお昼の午後0時30分までに売買停止を決定して対処しておけば、「被害」はもう少し抑えられたはず。

東証にはシステムの不具合の修正も必要不可欠だが、組織体制や人材の養成にも注力してほしいものである。

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