TBS(9401)、インデックス(4835)とネット配信会社設立で大筋合意
2005年11月06日 18:00
【NIKKEI NeT】によれば、【楽天(4755)】から経営統合提案を受けている【TBS(9401)】は11月6日、先に業務提携について協議を進めていた【インデックス(4835)】との間で、番組のインターネット配信を手がける共同出資会社を設立することで大筋合意したという。
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TBSは先に報じたとおり(【TBS(9401)、インデックス(4835)と提携を協議、インデックスはTBS株式を1%保有】)すでにインデックスとの間で提携を協議していたが、今回の報道が事実なら、「テレビとネットの融合」の方策について具体的な案を提示、実施に向けて動き出したことになる。記事ではこの提携を中心に、楽天を含む複数企業と個別の分野で提携する独自のネット戦略をまとめあげ、(楽天も含めた)TBSの株主に提案し、楽天の経営統合案への逆提案とするもよう。
このTBS案では楽天提示案と大きく異なるのは、楽天とTBSとの関係。楽天案では包括的なネット事業へ全面的に展開する活動を、楽天が手持ちのコンテンツをフルに活用するなどして主導的に行うのに対し、TBS案では楽天の立場は電子商取引での提携に限定されており、「複数の提携企業の一つ」に過ぎない。
簡単にまとめると、テレビとネットの融合による相乗効果の模索という点では両社提案は同じものを目指しているが、
・楽天案:ネット展開でのリーダーシップは楽天が握る。既存の楽天コンテンツをフルに活用するだけでなく、新規技術の導入も楽天が主導で。
・TBS案:インデックスのサポートのもとでネット展開を行う。リーダーシップはTBSが。楽天は複数ある提携企業の一つに過ぎない。
という違いがある。言葉は悪いがどちらも「自分が御山の大将」という前提のもとで立案しているに他ならない。
楽天にしてみれば今回の大規模なTBS株式買収を行ってまで成し遂げたい提案は、楽天には起死回生の一手。TBS案では楽天のメリットはほとんど無いどころか、株式購入の費用や自社株の株価下落などと合わせるとバランスシート的に採算が取れない。
楽天案におけるTBS株主への大義名分は「楽天の経験と手持ち技術を用いたこの提案を実施すればTBSの企業価値は跳ね上がる」というもの。だがTBSがネット技術に長けているインデックスと提携して同様の「企業価値向上」案を対抗策として持ち出し、その中では楽天案の最大のメリットである電子商取引部分も(その部分においてのみ)採用するというものであれば、楽天案を採用する必要性は特に見当たらなくなってしまう。
楽天側は、TBS案を超える企業価値向上が見込める、理にかなった具体的な提案を迫られることになるだろう。
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