注射の痛みも気持ち次第? 「思い込み」で痛み軽減との研究結果

2005年11月02日 21:25

注射イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、注射の針が刺さるときに「痛くない」と思い込むことで、本当に痛みが軽減することを、西宮協立脳神経外科病院の小山哲男医師と米ウェークフォレスト大のロバート・コグヒル助教授らが10月29日までに確かめたという。研究結果は米科学アカデミー紀要に発表されている(【概要、英語版】)。

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実験の詳細は上記記事を参照してほしいが、アメリカ人10人に対して実証実験を行い、痛みと思い込みの関係についてある程度数値化した結果がでたという。小山医師は「心頭滅却すれば火もまた涼し」という言葉を引用すると共に、注射の前に「痛くない」と医者が伝えたり患者自身が思い込むことは効果があると話している。

もう少し取得すべきデータや状況のパターン数を増やして確実性を高めてほしい気もするが、ともあれ具体的に「効果がありそうだ」という研究結果が出たのは評価すべきことだろう。

こちらは科学的に実験されているかどうかは不明だが、催眠術などで強く思い込むことで本当には起きていない症状が身体に発生するという話はよく聞かれること。例えば「熱い火鉢が手に当たっている」と思わせることで、被験者は実際に熱いと思うだけでなく、手にやけどが生じてしまうという事象が良い例だ。

人の思いの強さは時として、常識や科学をも超越した力を発揮しうるという良い例だろうか。

ちなみに自分(不破)は月一の頻度で通院検査をしているが、その際の採血はうまい人が行っているためか、ほとんど痛くない。少々チクっとくる程度だ。逆に「あまり上手でない」と涙があふれるくらい痛いこともある(こちらは入院中に、まだあまり経験の無い看護師が採血した時に経験)。

そもそも痛みというのは人の思いからくるものだから(痛い=身体にとってはネガティブだ、だから避けねばならないという信号が脳から発せられる)、ある程度自分の意思でコントロールできるのはごく当たり前のことなのだが、一方でそれをも超越した痛みがあるのも事実ということだろう(苦笑)。

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