姉歯建築士、取引先圧力具体名を挙げるも「裏づけ資料無し」として国土交通省は非公表
2005年11月25日 06:30
姉歯建設設計事務所による耐震データの偽装事件で11月24日、姉歯秀次建築士に対する聴聞会が【国土交通省】で開かれ、同氏は「大口取引先の一つから『鉄筋量を減らさないと他の設計事務所に頼む』などと迫られたため、構造計算書を偽造した」と偽装の理由について弁明した。またその要求をした業者については3業者の名前を具体的に例示したという(【参考記事:Mainichi-INTERACTIVE】)。
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姉歯建築士が国土交通省で弁明した概要はすでに【記事にした通り(姉歯建築士、偽装について「建設会社幹部から圧力あり」と発言)】だが、この聴聞では具体的に脅迫を行った3業者について具体名を挙げたという。その中でも1社についてはやりとりの詳細と、担当者個人の名前も挙げたとのこと。
国土交通省側では「いずれも大口の建築主や施工業者だが、(裏づけ資料は無く)具体的な名前は明かせない」としている。
とはいえ、姉歯建築士と取引のあった建築主や施工業者名はすぐに分かるだろうし、それらがリストアップできればその中で「大口」がどこであるのかも容易に想像できるだろう。
姉歯建築士の発言が真実か虚実かは物的証拠が無いので判断しかねる面もあるが、関係当局の調査も進むだろうし、それに伴い遅かれ早かれ今発言の否定をする、あるいは認める業者などが現れることだろう。
もし自分の姑息な利益を得るために第三者の不利益も省みずに不当な行為に手を染め、重大な結果を招いた関係者がいるのなら、心中穏やかならぬ状況なのかもしれない。
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