東証、「黄金株導入なら上場廃止」ルール明示を示唆
2005年11月21日 07:00
『共同通信』によると、【東京証券取引所】では11月19日までに、敵対的買収への防衛策の一つとしてあげられている「黄金株」(株主総会で合併などの重要事項への拒否権を特定の株主に与えるもの)を原則的に禁止し、導入した場合にはその企業を上場廃止とする方向で検討していることが明らかになった。【金融庁】と調整した上で、上場廃止基準に盛り込む方針であるという。
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【経済産業省】の【企業価値研究会】ではこの黄金株について、条件付で容認する提言をまとめたが、今回の東証の方針はこれに反するもの。経営者の保護か市場ルールかという選択肢について、東証では株主平等・投資家保護などの市場ルールを優先するようだ。ただ、東証の方針でも、国策に順ずるものについては特例扱いとするとのこと。
「黄金株」とは、1株でも会社の合併や統合など、企業経営の重要事項について拒否権を発動できる特別な株券で、「拒否権付き株式」ともいう。原則として1株だけ発行できる。企業に友好的な株主に与えて、昨今世間を騒がせているような、敵対的買収による合併提案を否決してもらうのが狙い。
国策云々は別として、一般の株主からすれば不平等極まりない黄金株を導入する以上、公正なルールで運営しなければならない株式市場からはご退場願おう、という東証の考え方は至極当然だと思われる。逆にいえば、「黄金株を発行しなければならないような状況・考え方なら、上場する資格など無い」というところだろうか。
(最終更新:2013/08/29)
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