金融庁、楽天証券に対して行政処分通達
2005年11月16日 19:28
【金融庁】は11月16日、『楽天証券』に対して、システム障害が多発したことに関する「証券業に係る電子情報処理組織の管理が十分でないと認められる状況」においての法令違反行為が認められたとして、業務改善命令の行政処分を行った(【発表リリース】)。
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金融庁の発表によれば、9月20日の段階で長期間のシステム停止を伴うシステム障害が多数発生していたことに対して金融庁は楽天証券に発生原因・再発防止策などの報告を求めた。だがその報告書提出後も同様のトラブルが発生し、その原因を「障害はシステムに脆弱な部分が存在している中で、システムテストを十分に行うことのないまま新商品を追加したことに起因」していたとし、過去の障害の「報告内容に反して、長時間のシステム停止を伴う障害の多発に対する再発防止策を適切に実行していなかったものと認められる」とした。
行政処分(業務改善命令)の内容は次の通り。
(1)システムの現状を十分に確認・検討し、新たなシステム障害を防止するために必要な措置を講じること。
(2)システムの安定稼動を早急に確保するとともに、システム障害時の速やかな復旧、及び適切な顧客対応に努めること。
(3)システム障害による長時間のシステム停止が再発したことに係る責任の所在の明確化を図ること。
(4)11月26日に予定されているシステム増強等に関し、実施後の状況を11月30日までに書面で報告するとともに、これを踏まえた適切な対応を行うこと。
上記(1)から(3)について、その対応状況を平成17年12月15日までに書面で報告すること。
楽天証券は元々DLJ証券を買収したものだが、買収の際に楽天の三木谷社長は「儲かるから」と、利益追求が第一であることを明言していた(【参考記事:CNET Japan】)。
利益追求は大いに結構。だが、業界そのものの信用を失う要因となるようなトラブルへの対策を二の次、三の次にしているのなら、正直投資業界におけるインフラを担う資格は無いのではないかと思われる。どこぞの放送局買収に夢中になる余裕があるのなら、足元をしっかりと固めて信用を回復すべきではないだろうか。
(最終更新:2013/09/04)
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