東証、金融庁に障害報告書を提出し、再発防止策を発表

2005年11月16日 07:54

【東証】は11月15日【金融庁】に対し、先の株式売買システムの障害(【東証、システム障害で午前取引停止。午後1時30分から後場開場】)に関する報告書を提出し、再発防止策を明らかにした(【発表リリース】)。今回の東証の発表は、約半日の間売買が停止するという前代未聞のシステム障害の報告書なだけに、どのような対策が提示されるのか注目されていた。

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報告書ではまずシステム障害そのものに関する報告がなされ、そこで「障害の原因」「東証の対応」「責任の所在」「処分」「再発防止策」が例示されている。特に障害の責任、原因については直接的には【富士通(6702)】側のミスとしながらも、チェックが万全でなかった東証側にも責任の一端があるとしている。

再発防止策は大きく二つに分かれ、「売買システムにおける再発防止策」では「運用手順・役割分担及びチェックの仕組みの見直し」「プログラム移行・正規登録に係るシステムチェック機能」「システム運用時間の見直し」「臨時のシステム外部監査の実施」が、「全般的なITセキュリティ等向上策」では「外部有識者による『システム諮問委員会』(仮称)の設置」「外部専門家によるシステム運用手順等の再検証」「情報セキュリティ管理に関する外部認証の取得」「システムバックアップ体制の見直し」「システム開発・運用体制の強化」をかかげている。

東証は来年にも上場をひかえている(【東証、中間益最高。その一方年度内上場は正式に断念】)こともあり、今回のような障害は絶対に避けたいところ。金融庁からの上場に対する懸念を払拭するためにも、万全の体制を敷いておかねばならないと判断したがゆえの発表だろう。

さてこれらの改善案は滞りなく施行されることを期待した上で、とりあえず残る問題は富士通への責任の明確化と損害賠償の有無、その額といったところだろうか。痛手を受けた投資家も少なくないが、せめて彼らを精神的だけでも救済する意味で、痛みのあるペナルティーを科してほしいものだ。

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