「ゲーム脳」なんてぶっ飛ばせ! 米で始まった「集中力増進」治療法
2005年11月10日 19:00
【CNET Japan】によると、アメリカで「注意力欠如障害(ADD)」の治療法として医薬品を使わずテレビゲームをプレイするという手法が注目を集めている。NASAの技術が用いられている、【SMART BrainGames】というシステムを用いるものである。
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記事によるとこの技術は、頭に装着可能なヘルメットを用いる。このヘルメットには3つの脳波測定用のセンサーが付属しており、この脳波データがプレイステーション2に接続されている「SMART BOX」に送られる。「SMART BOX」はゲームコントローラーで、30秒ごとに脳からのデータを収集し、プログラム処理される。
脳波のデータは「SMART BOX」経由でゲームに影響を与える。レースゲームなら、集中力が高まると自分の自動車の最高速度が高まるが、疲れたり集中力が低下すると速度が制限されてしまう。つまり、ゲームで爽快感を感じたり「勝ちたい」場合には、ゲームに集中するしかない。
「ストレスを感じるのでは?」という心配にも対処されている。脳波が一定以上のストレスを察知すると、コントローラーが震動するかハンドル操作機能が停止することで警告を与える仕組みになっている。要は「より現実味のある仮想体験」ができるしくみなわけだ。
元々パイロットの集中力や忍耐力を鍛えるためにNASAが開発した技術を用いたこの「SMART BrainGames」を使うことで、ADDに効果があったという具体例も記事には記載されている。価格は550ドルとのこと(現段階で公式サイトの直販価格を見てみると562ドルになっていた)。
公式サイトには対応ゲーム一覧が掲載されているが、『Ridge Racers』『Need For Speed』など、レース系・ジャンプアクション系のものがほとんど。コントローラーの特性からすると当然かもしれない。
医学的専門分野でのコメントは差し控えるが、要は「パブロフの犬」的な条件付けを「楽しいゲーム」を通して行っていくというものだろう。しかも「NASAのお墨付き」。どこか日本の代理店で販売してくれないだろうか。あるいは自分で直販で買う、という手もあるが、ネタのために6万近い(ゲーム機本体とソフトもあわせると約10万円、か……)出費は正直難しいところだ(苦笑)。
ともあれ、楽しく遊びながら治療するのなら、当人も大歓迎だろう。やたらとゲームへの風当たりが強い昨今だが、ゲームとて「道具」の一つに過ぎないことに変わりは無い。いかにうまく使い、生活にプラスとしていくかは、各個人の工夫次第ということではないだろうか。
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