ワンクリック詐欺急増中、IPAへの相談件数月間100件を超える

2005年11月07日 04:55

コンピュータ・ウイルスや不正アクセスの届け出先機関、【情報処理推進機構(IPA)】は11月4日、2005年10月分に届け出のあった案件の状況を【公表した】。それによれば「ワンクリック詐欺」による相談件数が急増し、その件数は100件を超えたという。事態の重要性からか、公表資料でも「大文字・太文字」にて月間100件と記載されている。

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この100件という数字は、7月の28件、8月の83件、9月の80件などとあわせて比較すると急速に増加しているのがうかがえる。公表資料ではその手口について


A)「登録ありがとうございます。料金は△△円です。あなたのIPアドレスはx.x.x.x、プロバイダは○○です。」などと、単に脅しの画面を表示されるだけのケース
B)不正なプログラムを埋め込まれ、パソコンのデスクトップに数分ごとに料金請求書画面が表示されるなどしてしまうケース


というように、単なるブラフで振込みをうながすものと、実際にボット※1などのプログラムを埋め込まれたりさらなるプレッシャーをかけるものとがあるという。特に最近ではB)のケース、しかもたちの悪いことにウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトで検出できないケースが急増している。

問合せ画面イメージIPAでは当記事中にあるような問合せ画面(引用は一つのみ。さらなる具体例は上記公表資料を参照のこと)が出てきた場合は、その中に書かれている文言がいかなるものであろうとも、「OK」や「実行する」を押してはいけないとしている。

またIPAではもし万一クリックしてしまい、料金請求された場合の対処方法についても【情報を公開している】。気になる人はこちらもチェックしておくと良いだろう。

スパム※2メールの文言が巧みになったり、ブログシステムのコメントやトラックバックへのスパム行為も規制や制限を潜り抜けるものが増えてくるなど、悪質な業者・団体の手段は金がかかっているだけに日々進歩している。相談のほとんどは、被害者自身が彼らの巧みな文言などでだまされ、原因となるプログラムのダウンロードを許可してしまいトラブルが生じた人からのものだという。

自分のパソコンにセキュリティ関連のソフトがインストールされていたとしても、それが万全ではないことは今や常識。信頼できるサイト以外ではたとえどんな言葉を語っていようとも、ダウンロードをしたり許諾をすることは止めておこう。

もちろん、そのようなサイトに行かないのが一番なのではあるが。


※1 ボット(bot):コンピュータウイルスの一種。コンピュータに感染し、そのコンピュータを、ネットワーク(インターネット)を通じて外部から操ることを目的として作成されたプログラム。これに感染すると、例えばハードディスクを初期化されたり内部ファイルを第三者に勝手に転送するなど、本来のユーザーの意図しない操作が行われる場合がある。

※2 スパム(spam):ジャンクメール、バルクメール、また単に「迷惑メール」とも呼ばれる。商用目的かどうかによらず、宣伝や嫌がらせなどの目的で不特定多数に大量に送信されるメールのこと。由来としては同名の肉製品の宣伝で商品名をひたすら連呼したものがあったところからつけられた名前だという説が有力。

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