ヒューザー、6%増しで買い戻し表明。ただし疑問点山積
2005年11月28日 06:35
【NIKKEI NeT】によると姉歯建築設計事務所の耐震強度偽装問題で、販売会社【ヒューザー】の社長小嶋進氏は11月26日、購入者から要請があればすべてのマンションについて販売価格の106%で買い戻すとの考えを明らかにした。
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この発言は小嶋氏が報道陣に説明したもので、「無過失であっても、私どもには瑕疵担保責任※がある」と理由を述べている。具体的には11月28日以降、販売価格の6%の手付金で売買契約を結び、3か月以内にすでに支払われた代金分を手渡し、住宅ローンなどの残金は全額引き受けるとのこと。さらに資金についても「公的資金無しでも問題は無い。マンションを補強して担保にし、銀行から資金を借りる」旨も示した。
だが小嶋社長の提案には、「手付金を支払った後の契約期限から、残金支払日までが1か月あり、その間にヒューザーが倒産した場合、マンションを(担保にしていた銀行などに)取られ、残金を受け取れず、手付金だけで権利を失うことになってしまう」という問題点が指摘されている。また、マンションを担保にする話も、「当初は会社が倒産するから買戻しは無理といっていたこともあり、発言が一貫しておらず信用に値しない」という意見が住民側からなされている。
すでに「青天の霹靂(へきれき)」発言などで、発言に一貫性が見られず責任逃れが行動パターンの真髄にあると見られても致し方のない小嶋社長だが、今回の提案内容も指摘の通り、「手付金だけで責を逃れる」すべを与えてしまう可能性が高い。資金調達先としている銀行が貸してくれなかったり、予定の額を借り入れることができなければ「お金借りれなかったので返済できません。手付金だけで我慢してね:P」という話になりかねない。それともその上で、【先のように】政治家に口を利いてもらって国民の税金で何とかしてもらうという腹積もりなのだろうか。
※瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん):
売買契約の目的物(宅地や建物)に、契約の締結当時に既に隠れた瑕疵(欠陥など)があった場合、売主が買主に対して負う責任のこと。売主が買主に対して負う責任とは、瑕疵の修復をしたり、損害が発生した場合に損害金を支払うことを指す。売主が責任を負う期間は民法では、買主が瑕疵を知ってから1年以内。宅建業法では、売主が不動産会社の場合は、引き渡しの日から2年以上とする特約を除き、民法より不利な特約は結べないことになっている。
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