「ガンダムが壊れた」郵便事故詐欺で30万詐取
2005年11月12日 06:20
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、日本郵政公社は11月10日までに、普通小包で送った「ガンダム」の模型が壊れたとウソを述べて郵便局から賠償金の30万円をだまし取ったとし、詐欺の疑いで大阪府の模型製作業・内宮裕之容疑者を逮捕送検したことを明らかにした。普通小包の賠償金が30万円であること、レアものアイテム価格が高騰しているという話が世間一般に広がっていることを利用した巧みな詐欺といえる。
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同容疑者の訴えに対して郵政公社側では「製作と修理に30万かかたという見積もりを出したので言い値で払ってしまった。請求が妥当かどうかよく確認すべきだった」と話している。
なお同容疑者は模型を製作してネットオークションで販売することを生業としている。「壊れた」としているガンダムの模型も自作のものだったという。9月にも同じ手口で請求をしており、「高額で不審」とされ、容疑が発覚した。余罪も多数あるのではないかとし、現在取調べ中である。
同じことをしても「単なるプラモデルだから」と門前払いされたであろう昔ならともかく、今はネットオークションでの話題やテレビでの鑑定番組などによる情報の流布で、マニア向けのアイテムが一般からは想像もつかないような高値で取引されうることが知られている。「このオークションでこれだけの高値がついたのだから、この破損したものもそれくらいになりますよ」と説明されれば、請求を却下するにはそれに対抗するだけの材料が必要になる。そしてその材料を普通の郵便局でそろえることは難しいだろう。
やはり今回の詐欺の根底に潜むものは、こういったコレクターズアイテムの類の価値は、そのアイテムを欲しいと思う人たち(その分野の専門家やコレクター)でないと値付けできないという点にある。その分野が特異なものであればあるほど、その難しさもより大きくなる。極論なたとえをすると、市場価格で数百万円もする希少価値のある切手ですら、それを知らない人からすれば「単なる古い切手」、果ては「紙切れ」に過ぎない。
今後似たような事象が発生した場合、詐欺であるなしに関わらず、どのような対処をすべきなのか。日本郵政公社にとって可及的すみやかにルールの策定を含め、解決しなければならないといえよう。
余談だが、この話を耳にした際、昔の漫画で「夏休みの工作の宿題が終わらないので適当な、それらしい材料を袋に詰め込んで学校に登校。みんなの前で事故に見せかけてその袋を落とし、派手な音をさせて壊させる。先生には『せっかく夏休みの宿題の工作作品作ってきたのに壊れちゃいました……』とごまかす主人公」という話があったのを思い出してしまった。
夏休みの宿題くらいならまだかわいげもあろうが、金銭を詐取するのは人間としてやってはいけないことであるのに違いない。
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