【更新】木造個人住宅2棟でも耐震強度偽造が発覚。疑われる調査機関の調査能力
2005年11月29日 13:00
[Sankei Web]によると姉歯建築設計事務所による耐震強度偽装問題で千葉県船橋市は、同事務所が設計した3階建ての木造個人住宅2棟で新たに偽装が見つかったことを明らかにした。偽装問題が発覚した後に市当局が調査機関【(UDI確認検査)】に再検査を指示して「改ざん無し」と報告したものの、建築主から「改ざんの恐れあり」と指摘を受け独自に市が調査したところ、偽装が判明したという。
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UDI側は調査にミスがあったことについて「安全性に問題ない。偽造ではなく、入力や転記ミスの可能性が高い」と説明しているが、市は「全国で行われている再点検を根底から揺るがす事態」として国土交通省に報告した。
記事によると、市調査による改ざんの内容とは、
1棟は構造計算書で建物の重量を約半分で計算し、基礎部分の鉄筋量が基準の約80%しかないという。もう1棟は構造計算書に問題はないが、計算書を図面に書き換える際、鉄筋の間隔が広く取られており、鉄筋量が約60%しかない恐れがある。
というレベルのものであり、素人ならともかく、調査を生業とする専門機関をしてこのような改ざん・偽装が見抜けなかったのは資質・資格に問題があるといわざるを得ない。
船橋市が懸念している通り、「調査機関そのものへの調査」すら必要としなければならないような事態であることだけは確かだろう(それとも改ざんは見抜いていたものの、何らかの理由で「改ざん無し」と報告したのだろうか。それならそれはそれで別の大きな問題だが)。
一部では一連の事件を「姉歯建設設計事務所とそれに関連する団体だけでなく、建設業界全体にはびこる悪癖の一部が露呈したに過ぎない」と指摘する声もある。まさに「芋づる式」ではないが、[意見を二転三転し虚言癖すら疑われる発言を繰り返す開発会社]という話や[政治家との絡み]も報じられるなど、「やっぱりね」「ここだけではないのかもしれないね」という話があちこちで漏れ聞こえてくる気がしてならない。
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