【更新】姉歯建設設計事務所が関与した住宅は22都道府県で194件

2005年11月22日 12:30

設計図イメージ[Sankei Web]によると、千葉県は11月21日、【先に耐震強度偽装問題で責任が取りざたされている】姉歯建設設計事務所が設計に関与した共同住宅は1996年以降、全部で少なくとも6都県・89棟、個人住宅や鉄塔などもあわせると22都府県・194件に登ることを明らかにした。

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千葉県の取調べに対して同事務所の姉歯秀次一級建築士は、これまでに判明した21棟以外では構造建築所の偽装はしていないと答えているという。さらに姉歯建築士は法律で定められた帳簿を作成しておらず、所在地が分からない建築物も20棟(共同住宅は3棟)あるという。なお千葉県では関係のある共同住宅について、東京、千葉、神奈川、個人住宅は東京、千葉、愛知などとしているが、具体名は公表していない。

取調べをした千葉県では[共同住宅等の構造計算偽造に係る転居希望者の受入相談窓口の設置について]のようにインターネット上でも相談窓口設置に関する情報を配信するなど、状況の把握に努めると共に、最優先課題である住民の安全の確保などについて対処を進めている。他の地方公共団体も遅かれ早かれ同様の動きを見せている。

なおこれまでに偽装された建物は「姉歯建設設計事務所が認めた」21棟とされてきたが、<[YOMIURI ONLINE]によれば、東京品川区にあるホテルの構造計算書にも偽装が見つかったとし、あわせて22棟となった。事務所側の主張が正しいとは言い切れないことが分かったわけで、さらに同事務所が開設されたのは1990年でそれから5年間の1995年までの記録は残されていないということもあり、194件の中でどれだけさらに耐震強度偽装が行われているのかをすべて調べる必要があるだろう。そしてさらに、「記録が残っていない期間」における姉歯建設設計事務所が手がけたすべての建造物を洗いざらい調査しなおす必要もある。

建設業界内ではただでさえ阪神大震災や新潟県中越大地震をきっかけに、耐震性にすぐれた建築物を提供していこうという気運が高まっていた。そのような中でおきた今回の事件によって、顧客からの信頼が一気に失われかねないという危機感が生じている。とはいえ今件の事件に対する業界内の関係者の対応次第では、顧客予備層らの失望は免れないだろう。正すべきところは正すのはもちろん、これまで以上に努力を積み重ねていかねば、信頼の回復は難しいかもしれない。

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