記事によると両容疑者は9月30日、同僚の男性職員を脅して高級ステーキ店に同伴。ステーキディナーを3人で食べて代金計31万6,500円を支払わせた疑い。3人は校内の清掃などを担当していたが、勤務歴の長い浜野容疑者が大人しい性格の男性職員にたびたび暴力を振るっていたとのこと。なお同容疑者は10月、校内で今回の被害者と同じ職員を棒で殴りつけて怪我をさせたとし、傷害容疑で逮捕されている。

けっしてべらぼうな高給取りとはいえない学校職員の立場で、1人前10万円超のステーキをおごる・おごられるという状況がいかに異常であるかは誰の目から見ても明らか。普段から暴力を振るうなど俗に言う「いじめ」の傾向があったことからも考えると、恐喝行為ととらえられても当然。

世間一般にこのようなニュースが流れると、必ず知識人ぶった人らが「いじめられた側にも責任がある。加害者側ばかりを責めるのは良くない」と主張する輩がいる。一理ある。一理はあるが、そのような論調もまずは「加害者側の責任」をしっかりと結論付けてから行うべきだろう。

宝くじでも当たったかセレブでもあるまいし、どこの世界に1人前10万円のステーキを平気で二人にもおごれる人がいるというのだ。30も過ぎた大人だというのにそれくらい判断もできないのか。いや、判断ができないからこそ、そういうことをした上で「おごってもらっただけ」と平気で主張できるのだろう。

当件も恐らくは、逮捕なりの第三者からの介入がなければ「いじめ」はますますエスカレートし、どちらかが破綻するまで事は進んでいたであろうことが容易に想像できる。特に加害者側は「いじめ」によって自分に何らかのプラスを得ることができると(例えば精神的な満足感を得る、今回のステーキのように物欲を満たせる)それを「学習」し、「いじめ」を繰り返すだけではなく、さらにもっと多くのものを求めようとする傾向があるからだ。その可能性を考えると同容疑者も、あるいは捕まって幸いだったのかもしれない。