10通メールが来たら5通以上はスパムメール。迷惑メール事情
2005年11月13日 17:05
【PC View】によると、一般の善良なインターネットユーザーの迷惑メール(スパムメール)への悩みは日本だけでなく全世界に共通するもの。アメリカでは国家レベルでの取り組みが始まっているという。
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「スパムメール」という言葉の由来は、昔モンティ・パイソンの寸劇で、バイキングたちがスパムという肉製品(コンビーフのような塩気の強いブロック加工肉)のことを何度も何度も残響音のように「スパムスパムスパム」と繰り返し叫び、周囲の人たちの会話をかき消してしまったからだという。スパムメールはまさにその「叫び」そのもので、一般の人には必要の無いメールを大量に送りつけ、必要なメールを「かき消して」しまう。
スパムの内容は、日本からはアダルトや出会い系が多く、アメリカではソフトウェアや薬剤関係のEコマース系のが中心とのこと。確かにこれは実体験でもうなづける内容。スパムトラックバックやスパム的な掲示板の書きこみもほぼこの傾向が当てはまる。「自分は政府高官(御曹司、隠し子)。一時的にお金を預かってほしい。多額の謝礼はする」「どこそこの災害の寄付金を」云々と言葉巧みに関心を持たせてお金を振り込ませる詐欺的なメールは最近は少なくなった。
記事にもあるがスパムメールが一向に減ることがなくかえって増えているのは、費用対効果が抜群だから。送信コストが無料に近く、電子メールアドレスの相場も1億件で1万円以下との話もある。反応率が0.0001%だったとしても他のマーケティングコストと比べればべらぼうに効果的。モラルの問題さえ気にしなければこれほど有効な手段はない。ネット上を飛び交うメールの50から60%が実はスパムメールであるとのこと。
最近はアメリカ発のスパムメールが減り、中国や韓国といった特定アジアからの発信が増加している。それはアメリカでスパム規正法(CAN-SPAM ACT)が施行され、懲役刑を含む厳しい罰則が適用されるようになったからだ。送信コストが安いからと大量にスパムメールを流しているため、損害賠償金額も(スパムメールの数に応じて計算されるため)膨大な額になる。記事では10億ドル(日本円で1,100億円以上)もの支払いが要求された例もある。
個人でもメールのフィルター機能やプロバイダの迷惑メール除去機能サービスを用いることである程度、必要の無いスパムメールを自動削除することはできる。だが敵もさるもの引っかくもの、次々と新しい手を考えてフィルターを通り過ぎるため、いたちごっこになる。第一、フィルターが多すぎると処理が重たくなるばかりでなく、本当に必要なメールまでフィルタリングされてしまう可能性も出てくる。
最強のスパムメール対策はやはり、「スパムメールのコストパフォーマンスを悪くすること、非倫理的な行為に対するリスクを跳ね上げる」ことに他ならない。アメリカのように強力なスパム規正法を制定するのはもちろん。だが、他国で送信されてはその法律も効果を発揮しないので、スパム業者の端末に「対抗」できるような「攻勢防御」的なアクションを行う機関も必要ではないかと思われる。
もちろん記事にあるような、DDos攻撃を使ってスパム行為を行う輩には(そのメールが誘導したい目的ページは明らかなので、自然にスパム行為をやろうとした主体も分かる)、通常のウィルス制作者にまさるとも劣らない厳重な処罰が必要不可欠だろう。
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