村上氏、TBS(9401)経営陣へのMBO提案を取り下げ。楽天(4755)は特別委員会をけん制し、横浜球団の売却の話も

2005年10月15日 09:58

野球イメージ[このリンク先はすでにページが削除されています]などが報じたところによれば、村上世彰氏の投資ファンド、通称『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』が7.45%の株式を所有したことに伴い、TBS経営陣にMBO(企業買収)※を提案したものの、その提案を取り下げたことを明らかにした。株価上昇により資金調達が困難になったこと、経営陣から「難しい」という回答をもらったためであるとしている。

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また楽天(4755)の三木谷社長は10月14日放送のNHKニュース番組に出演、その中で今回のTBS株式取得について、ポイズン・ピル(買収防衛策)発動基準の20%を考慮した取得株数であることを明らかにした。また、経営統合を拒否された場合に同社株を買い増すか否かについては「分からない」とその場での即答を避けている。

番組の中で三木谷氏は、もしポイズン・ピル発動ともなれば(楽天を含む)既存は大きな損失を被ることになり、それを踏まえて発動の是非を考慮する必要があると、発動の判断をする企業価値評価特別委員会をけん制した。

さらに三木谷氏はSANSPO.COMにおいて、プロ野球の横浜ベイスターズを「余計な資産」「テレビ事業のコンテンツが欲しいのなら放映権を買えばいい」と一刀両断。同球団の売却をTBS側に迫ったともしている。

資本力を持つ投資ファンドやIT企業と、実質価値に対して株式評価価値の低い放送業界会社とのマネーバトルはこれからも続きそうである。「モノ言う株主」というスタイルが浸透しつつあること事態は悪くはないし、先のライブドア(4753)フジテレビ(4676)ですでに明らかになっているのに相変わらず対抗策が後手後手に回っている上場企業への「きつい活」にもなるだろう。

株式市場においては、来週以降、放送業界関連銘柄の「連想買い」による相場形成がなされるかもしれない。

また、今件では昨年大騒動となり一応収束されるかと思われた「プロ野球球団の再編問題」にまた火がつきそうな気配がする。


※MBO:Management Buyout。企業買収。経営陣による自社買収のこと。企業の合併や買収(M&A)の手法の一つで、企業経営者や事業責任者らが自社株を買い取り、経営権を取得するもの。金融機関や投資会社の支援を受けて実施される例が多い。事業再編やリストラ、株式非公開化などのための一手法として最近注目されている。

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