東証、売買監視強化を各証券会社に求める規則を制定へ
2005年10月26日 20:00
東京証券取引所は10月25日、同社鶴島社長が記者会見を開き、証券会社に対して顧客の正常でない売買の監視強化を求める新たな規則を制定すると発表した(【発表リリース、PDF】)。施行は来年5月、大阪など他の取引所でも同様の規則を導入する予定。インターネットを通じた「見せ玉(ぎょく)」など、公正でない株取引を防止する狙いがある。
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規則では各証券会社に対し、短時間に注文が集中した銘柄を自動的に抽出して調査を行うシステムを構築するなど、顧客の怪しい売買動向を素早く把握できるような体制を整備することを要求している。東証がこの整備状況について考査を行い、問題があれば制裁金などの処分を検討する。
仮装売買や見せ玉(大量注文を出して相場そのものを活性化しているように見せかけて値を動かし、値が動いてから実際に約定する前に注文を取り消し・訂正するような行為。売り抜けたい時に大きな買い注文を見せ玉として出して値を吊り上げ、売り抜けた直後に買い注文を取り消すような使い方をする)が、ネット経由の取引が増えたためにチェックしにくくなり、容易に行えるようになったことなどが不正行為が増える背景にある。
もっとも大きな見せ玉を行うのはネット証券の顧客である一般個人投資家よりは、機関投資家や証券会社、ファンドの投資部門である可能性・頻度が高いといえる。それらに対して有効に作用しなければ、今回の東証の提言も意味はあまりないものとなるだろう。
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