韓国でオンラインゲームのアイテム、個人売買禁止への動き

2005年10月25日 09:00

ゲームイメージ【MYCOM PCWEB】の記事によれば、韓国のオンラインゲーマー間におけるアイテムの現金取引についての現状が報告されている。それと共に、同国の公正取引委員会がゲームメーカーに対し、「個人間でのアイテム売買禁止」を利用約款にもりこむようにと喚起していること、それに対して各方面での反発が予想されることなどが論じられている。

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韓国でのオンラインゲームのアイテムの現金取引に関する詳細は上記参照記事をチェックしてほしいが、オンラインゲーマーの17%が日本円にして約10万円以上のアイテムの取引をしたことがあるという、ある意味衝撃的な結果が出ている。

もちろんアイテム売買をめぐって暴力事件や詐欺事件などが多発しており、社会問題化している昨今、10月17日には公正取引委員会が大手ゲームメーカーに対し、「個人間でのアイテム売買禁止」を利用約款にもりこむようにと喚起(事実上の命令)した。だがアイテム取引を規制する法律が無い上に、アイテム取引をビジネスとしている商用サイトもあり、個人からもあわせ、反発が予想される。

また、金銭が絡むがゆえのゲームのやりすぎについて、文化観光庁が法律制定に向けて動き出しているという話も紹介されている。

もし仮に約款や法律規制によって韓国内でのアイテム売買が法的拘束を受けるようなことになれば、一部は地下に潜ってしまうだろうし、一部は近隣諸国(中国や日本)に逃げるのは必至だろう。すでに一部の団体、グループは韓国と同じスタイル・システムでアイテムやゲーム内通貨の現金取引をビジネスとして実施している。また、それとは別にゲームメーカー側がシステムを提供してアイテムの売買を奨励、とは言わないまでも場を提供している例もある。

取引がたとえ両者の合意の元に行われた場合でも問題になるのに、詐欺などで搾取された場合は問題にならないはずはない……というべきところなのだが、オークションや商品取引のように実物の取引が介在しうるのならともかく、ゲームのアイテムや通貨の場合、仮想世界内のデータに過ぎないので、法律上の「財物」には相当せず、詐欺罪には相当しないのではないかという解釈もある。また、そもそもゲーム上のアイテムや通貨の「所有権」はゲームメーカーにあり、ユーザーはパソコンやゲーム機を通じてそれらを借り受けてゲームを楽しんでいるといった考え方もある。

もちろんアイテムや通貨が容易に現金と交換しうる、つまり兌換性が高いのなら、事実上「財物」に相当するのではないか、という考え方もあるのだが……そうでなければ、銀行や株式取引などオンラインデータ上の数値のごまかしやハッキングによる差し替えも詐欺には該当しなくなる。

禁止するかしないかは別として、日本国内でも早急に法的な取り決め(場合によっては新法の制定)や各大手ゲームメーカーによる約款の変更が必要とされよう。

※参考サイト
【ネット詐欺案内所】
【WEB110】

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