日証金、システム障害の一因解消としてネット口座開設の審査基準厳格化を検討
2005年10月19日 12:10
[このリンク先はすでにページが削除されています]の報によれば、【日本証券業協会】は10月18日、インターネット上で証券口座を開設する際の審査基準を現状より厳しくする方向で検討を進めることを明らかにした。ネット経由での注文において、注文の取り消しや訂正を繰り返す不自然な動きが頻発、これがジャスダック証券取引所のシステム障害の一因になったからとしている。
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記事によれば「取り消しや訂正の件数を反映した手数料を証券会社から徴収」することで監視機能を高めたり、異常な取引が相次いだ場合には画面上で警告するなどのルール導入も検討しているという。
口座開設の審査基準を厳しくして、あやふやな注文を繰り返す初心者が市場に参加できないようにする、という意図は判らなくもない。しかし一方でネット経由での株式市場への参加(特に多額の手数料が舞い込む短期取引、特にデイトレード)を積極的にうながし、その一方で非常に甘い見積もりの結果、現状に対応するのに十分なシステムを用意しない(できない)のは、システム提供側の姿勢としてはいかがなものだろうか。
それに数の上では大多数を占める(少額を運用する)一般個人投資家より、大口の投資家、機関投資家、投資部門の方が、見せ板をはじめとする「不自然な動き」は多いはず。だがこれらに対する取り締まり強化の話は一向に聞かない。
さらに例えば板情報の開示にしても、一般個人投資家と機関投資家との不公平感を拡大する方向でルールの改正を行うなど、「為すべきことを為さずして」「権利を主張し義務は存分に果たさず」的な今回の意向表明は首を傾げざるを得ない部分がある。
また、万一「注文取消しや訂正でも手数料を徴収する」などということになれば、市場への関心も薄まるだけでなく、既存投資家の市場離れも加速させかねない。
問題の論点、視点をそらしたりすりかえることで取り繕うとしているのではないか。そんな雰囲気を感じている人は少なくあるまい。
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