【更新】東京都、過激表現のテレビゲームに「18禁」表示義務化へ

2005年10月13日 19:00

ゲームイメージ[OMIURI ONLINE]が報じたところによれば、東京都は殺人などの残虐な表現を含む家庭用のテレビゲームソフトについて、[都青少年健全育成条例]の有害図書規定を適用、ゲームソフト業界に「18禁未満禁止」を表示するよう指導することを決めたとのこと。10月19日に都ではゲームソフト関連各社が参加する[第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」]を開催する予定であり、これに向けての決定と思われる。

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「指導」とはいえ実質的な義務化であり、このような「指導」は日本国内における自治体では初の試みとなる。もちろん東京都は日本における最大のゲーム販売数を誇るエリアでもあり、その地での表示「指導」は他の地域、そして流通網にも影響することが十分に考えられる。

現在ゲーム業界の自主規制としては【CERO(特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構)】が存在するが、都の意見としては「目安に過ぎず、青少年の利用に適さない、という意味までは持たない(ので無意味である)」という疑問がある。

ゲーム業界側では上記協議会において、ゲームソフトを条例上の「図書類」に含めることを表明した上で、図書における規定(18歳以上ソフトへの表示マークの要請や、店舗への区分陳列・身分証明書提示などによる年齢確認徹底の「指導」の強化)などを提示し、都からの「指導」を回避する目論見とのこと。

先に米カリフォルニア州において18歳未満の未成年に過激表現のあるゲームの販売・貸し出しを禁じる法案がアーノルド・シュワルツェネッガー知事の署名により施行決定されたが、これも業界の自主規制が不十分であるという判断からのものだった。ただしすでにゲーム会社からは憲法違反だとして提訴が行われている。

協議会開催の前に都の意向がこのような形で出たのは、現状を鑑みた上で、情報を出すこと自身による都側の何らかの「意図」があると見てよいだろう。フランクに例えるのなら「お前らがちゃんと有効な自主規制しないから指導しなきゃいけなくなったんだぞ。深く反省して納得できる対抗案出さないとこちらもこんな形で重い腰上げねばいけないんだが」といったところだろう。

映画にしてもテレビにしてもゲームにしても「過激でインパクトがあって売れるのならば何でもいいだろう」という、いわば「倫理観を無視した売上至上主義」「作ったもの勝ち、売れたもの勝ち」が少なからずある一方、それに対する反動も当然おきてくる。今回の一連の動きはそれに他ならない。ソフトの売行きが落ちている責任を他にかぶせて責任逃れをする暇があれくらいなら、やるべきことは山ほどあるのではないだろうか。

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