花粉症対策として東京の杉を植え替え。10年で2割減を目標

2005年10月16日 04:45

杉の森林イメージ[このリンク先(asahi)はすでにページが削除されています])。都では予算計上をすると共に、石原東京都知事も小池環境相に国の協力を要請した。

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記事によると基本的に都内の3万ヘクタールの民有人工林のうち2/3の2万ヘクタールほどが杉林。計画ではこの杉林のうち、手入れのしやすい場所にある1/3を伐採して花粉が少ないタイプの杉に植え替え、残り2/3は杉林の杉を間引きし、広葉樹を間に植えて混交林に変えていくという。

計画では年120ヘクタールのペースを予定し、このペースだと混交林化の効果とあわせて、10年間で花粉量が2割ほど減るという。事業は50年を予定(2万ヘクタールの杉林のうち1/3が植え替え対象だから2/3万ヘクタール。120×50=6000ヘクタールだから、大体合致する)。石原知事曰く、「(10年間の事業費として約250億円を見込んでいるが)花粉症による経済的なマイナスは膨大なもの。対策は一地方自治体でできることではない」とし、国にも協力を求めたという。

セキ、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど、花粉症は発病した人でないと分からないが非常に辛いものである。ある程度予防、症状を軽減する方法はあるが、人によって効果のあるなしは多種多様なため、特効薬的なものは存在しない。しかも風邪のように、症状にさいなまれている間は思考力、集中力は極端に低下し、まともに物事を考えることすら難しくなる。石原都知事の「経済的なマイナス」という言葉もうなづけるものがある(もちろん治療薬や対処関連グッズを販売する側にしてみれば「余計なことを」と思うだろうが)。

そもそも杉が日本にこれだけ多いのは、戦後の国策のなせる業によるもの。木が悪い、森が悪い、杉が悪い、というわけでは決してないし、杉を無くせなどという無茶な主張は意味が無い(昔から杉林は存在している)。要は「過ぎたる(杉足る)は及ばざるがごとし」であり、多すぎた分を元々あるべき姿のバランスに戻せばいいだけの話。

ダムにしても堤防にしても、過去の工事や事業を取り消したりそこから生じた不具合を基に改善を行おうとすると「先輩諸氏の業績を否定することになるから」「一度決まったことは変えられないから」「下手に変更してもし失敗したら俺の責任になってしまうから」という、スットコな主張を繰り返して動こうとしないパターンが俗に言う「お役所仕事」には多い。かつて日本が太平洋戦争の泥沼にはまり込んで行った時も「英霊になんと説明すれば良いのか」と頑なに反対派を押し切ったがために、というのも一因にある。それがデジャブーとして頭に浮かんでならない。莫迦な理由付けでバチを被るのは勘弁してほしいものである。

石原都知事には杉対策を東京都だけでなく、他の県にも呼びかけてほしいものだ。

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