10月24日は「暗黒の木曜日」、世界恐慌のはじまりの日

2005年10月24日 12:30

株式イメージ今から約80年ほど前の1929年10月24日、アメリカのニューヨーク・ウォール街の株式取引所で当時としては株式市場始まって以来の株価大暴落が起き、これがいわゆる「世界大恐慌」のきっかけになった。これがいわゆる「暗黒の木曜日」と呼ばれるもの。寄り付きはいつも通りだったが次第に売りが連鎖的に発生、午前11時には売り一色に。この時はウォール街の仲買人たちが協議の末、買い支えを決意し発表。このニュースで値を戻す。

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だが彼らの「工作」もむなしく10月29日には再び暴落(「悲劇の火曜日」。下げ幅はこの日の方が大きい)。売りが売りを呼び、まさにパニック売りが止め処も無く続く状態。投資家は損失補てんのために資金引き上げを行い、景気の悪化をうながす結果となった。アメリカの株価は80%以上下落し、工業生産は1/3以上低落、失業者数は1,200万人、失業率は25%に及んだ。1933年2月には全銀行が業務を停止する。時の大統領フーヴァーの対抗政策「レッセ・フェール(自由放任主義)」は功を為さず、米国内では不安が広まる(歴史的には後の大統領F・ルーズベルトの「ニューディール政策」の方が有名)。

もちろんこの動きはアメリカに留まらず、資本主義陣営の各国に及ぶ。1929年から32年の間に世界貿易は70.8%(7.08%ではない)も減少。この暴落と不景気が、ブロック経済への動きを推し進め、各国の金本位制の廃止、経済対立の激化、そして第二次世界大戦の引き金にもなった。

恐慌の原因、すなわち株価暴落の原因としては、過大投資と過剰生産、アメリカの高関税政策が貿易の流れを阻害し、「アメリカ内部の金余り」状況とヨーロッパ諸国の貿易赤字が主であるようだ。

最近では2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロをきっかけにした大暴落が記憶に新しいところ。この時は4日間ニューヨーク証券取引所は停止することとなった。再開後は10%弱の下げで留まったものの、不景気感はしばらく続くことになる。

昔と比べればさまざまな「知恵」が用意されており、よほどのことが無い限りかつてのような「大暴落」はおきにくいはず。はず、ではあるが、過去にはなかったファクター(プログラム売り、ネット証券を経由した個人投資家の急増、ネットワークによる情報流布)が不確定要素として存在するのも事実。

結局、先のことは誰にも分からないということなのだろう。だからこそ、常に備えは必要なのだと思う。

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